メロンの豆知識
メロンの栄養・効能
- メロンの甘味成分は、ブドウ糖や果糖、ショ糖など、酸味の方は、クエン酸やリンゴ酸、酒石酸などの有機酸です。
- ミネラルとしては、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、ナトリウム、鉄が主なものです。中でも主成分はカリウムです。また品質によって多少差がありますが、カロチンとビタミンCも比較的多く含まれています。
- メロンには水溶性の食物繊維であるペクチンが多く含まれ、それが滑らかな舌触りを与え食味をよくしています。メロンを収穫後追熟させるのは、細胞中の不溶性のプロトペクチンを、可溶性のペクチン酸などに分解し、果肉を柔らかくするのが一つの理由です。
- 今話題のGABA(ギャバ:γ-アミノ酪酸のこと)が多く含まれ、高血圧の予防に効果があることがわかっています。
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高血圧の予防に
前述のGABA効果のほかに、豊富に含まれるカリウムが体内の余分な塩分の排泄に役立ち、また90%を占める水分の利尿効果との相乗効果もあって、高血圧の予防や肥満防止に大変効果があります。食後のデザートのメロンは単に口を楽しませるだけでなく、余分な塩分の排泄と肥満防止といった役割を担っているのです。 -
コレステロール軽減に
メロンに多く含まれるパントテン酸は、分解された脂質の代謝を調整して、コレステロール低減、脂肪蓄積防止効果があるといわれています。 -
美肌効果
ビタミンや繊維質が多いので、便通をよくし、肌あれにも効果があります。 -
お酒を飲んだときに
お酒を飲んだ翌朝などもメロンをタップリとると、利尿効果で早くアルコール分が抜けます。 -
抗ガン性
メロン独特の甘い香りはテルペンによるもので、テルペンには抗ガン作用があるとされています。 -
アレルギーに注意
メロンはアレルゲンになる可能性があるので注意してください。口の中でチクチクしたり、違和感があるときはアレルギー反応の前触れかもしれません。
メロンの歴史・由来
- 古代エジプト、中央アジア、中国などで紀元前から作られていたようで、原産地には諸説がありますが、最近遺伝子研究から中国原産説が急浮上しています。
- 日本でも有史以前から栽培されていて、全国の縄文時代の遺跡からまくわうりの種が発見されています。
- 日本へは、西洋種のメロンは明治中期に導入され、また明治後期にはイギリス系の温室メロンが導入されて、このころから本格的に栽培がはじまりました。
- 大正以後、高級果実として一部の上流階層にしか口にできなかったメロンが庶民に近づいたきっかけとなったのが、昭和37年に皇太子ご成婚にちなんで発売された「プリンスメロン」です。当たり外れのない甘さで、たちまち日本国中を席捲し、この煽りを受けて昔ながらのマクワウリは姿を消してしまいました。
- 以後つぎつぎと新しい品種が生み出され、栽培法も色々と工夫を重ねて、現在では日本のメロンは名実ともに世界一の品質を誇るまでに成長しています。
- メロンという名前は、ギリシャ語の "melopepon"(りんごのようなうり) が語源だそうです。
メロンのネットはどうしてできる?
網目メロンの果実は、生育途中で表皮部分の成長が止まって固くなりますが、果実自体は肥大し、この時に表皮にヒビ割れができて、この傷を塞ぐために結合組織が発達して網目となります。人間の体に例えれば、傷を修復するかさぶたのようなものです。交配後15日位で、はじめに縦、次に横にひびが入り、約1週間でネットの形成が終わります。果実が硬くても柔らかくてもよいネットは入らず、ちょっとでも管理ミスがあると、網目がきれいに出ないです。でもよく考えてみると、傷あとを評価するなんてちょっとおかしな気もしませんか?